海外でクレジットカードを利用した場合、少しですが、手数料がかかります。
仮定の話ですが、「1ドル=100円」の固定相場の時代に、クレジットカードで「100ドル」の買物をしたとしましょう。
その場合の請求金額は、「100×100円=10,000円」とはなりません。
少しだけ手数料がかかって、「10,200円」前後になります。
海外でクレジットカードで買物をした場合、その瞬間の為替レートが仮に「1ドル=100円」だったとしても、換算レートは、
換算レート=「基準レート」+「海外事務手数料」
となります。
少しの「海外事務手数料」がかかるのですね。
換算レートの決定方法を簡単に紹介します。
「基準レート」は国際ブランドで決まる
「基準レート」は、使用したクレジットカードの国際ブランドによって決まります。
ここでは、海外でカードを利用した日から「数日or数週間」たった時点の交換レートが「基準レート」になると覚えておけばよいでしょう。
Visa | Visa加盟店から利用データが加盟会社または取扱金融機関を経て、米国のVISAインターナショナル決済センターへ送付され、VISAインターナショナル決済センターで集中決済された時点の交換レート |
---|---|
Mastercard | Mastercard加盟店から利用データが加盟会社または取扱金融機関を経て、米国のMastercardインターナショナル送付され、米国のMastercardインターナショナルで集中決済された時点の交換レート |
JCB | JCBが加盟店に代金を支払った日のJCBの所定レート |
AMEX | アメリカン・エキスプレス所定のレート |
「海外事務手数料」はカード発行会社および国際ブランドによって異なる
「海外事務手数料」は、カード発行会社、及び、その国際ブランドによって異なります。
代表的なクレジットカードの海外事務手数料を比較したのが以下の表です。
Visa | Mastercard | JCB | AMEX | |
---|---|---|---|---|
JCBカード | – | – | 1.6% | – |
楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
Yahoo! JAPANカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
三井住友VISAカード | 1.63% 2.16%(7月1日~) | 1.63% 2.16%(7月1日~) | – | – |
dカード | 1.63% | 1.63% | – | – |
イオンカード | 1.6% | 1.6% | 1.6% | – |
ライフカード | 2% | 2% | 1.6% | – |
アメリカン・エキスプレス・カード | – | – | – | 2% |
セゾンカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | 2% |
MUFGカード DCカード NICOSカード JAカード | 2.16% | 2.16% | 2.16% | 2% |
ビューカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
オリコカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
ジャックスカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
※リンク先のページは、各カードのお得な発行方法の案内となっております。ぜひご覧ください。
なお、プリペイドカードになると、概ね、海外事務手数料が高くなります。
ポイントサイト「モッピー」のポイントをチャージできるVISAプリペイドカード「POINT WALLET VISA PREPAID」、ポイントサイト「ハピタス」のポイントをチャージできるVISAプリペイドカード「POLLET VISA PREPAID」は、ともに海外事務手数料は4%となっています。
海外利用はおすすめできません。
例外的に、ANA JCBプリペイドカードは、JCBカードと同様の1.6%です。
Visa | Mastercard | JCB | AMEX | |
---|---|---|---|---|
ANA JCBプリペイドカード | – | – | 1.6% | – |
POINT WALLET VISA PREPAID | 4.0% | – | – | – |
POLLET VISA PREPAID | 4.0% | – | – | – |
Kyash | 3.0% | – | – | – |
バンドルカード | 4.5% | – | – | – |
なお、アメリカン・エキスプレス・カードの海外事務手数料は2.0%と他のカードに比べて少しレートが悪いのですが、アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードだけは例外です。
アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードには「海外利用ボーナスポイントプログラム」というボーナスポイントプログラムがあり、外貨建て決済でポイントが3倍になります。
レートの不利を大きくカバーするボーナスポイントプログラムとなっています。私はアメックス・プラチナ保有者ですが、海外ではむしろアメックス・プラチナを使います。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
実際の換算レートを計算する
海外でクレジットカードを利用した際の換算レートは、
換算レート=「基準レート」+「海外事務手数料」
で決まるといいましたね。
では、仮に、楽天カード(Visa)で、100ドルの買物をした時の請求金額はいくらになるのか?
まず、「海外事務手数料」を知る必要があります。
もう一度、以下の表をご覧ください。「楽天カード」の「Visa」を見ると、「1.63%」となっています。
Visa | Mastercard | JCB | AMEX | |
---|---|---|---|---|
JCBカード | – | – | 1.6% | – |
楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
Yahoo! JAPANカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
三井住友VISAカード | 1.63% 2.16%(7月1日~) | 1.63% 2.16%(7月1日~) | – | – |
dカード | 1.63% | 1.63% | – | – |
イオンカード | 1.6% | 1.6% | 1.6% | – |
ライフカード | 2% | 2% | 1.6% | – |
アメリカン・エキスプレス・カード | – | – | – | 2% |
セゾンカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | 2% |
MUFGカード DCカード NICOSカード JAカード | 2.16% | 2.16% | 2.16% | 2% |
ビューカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | |
オリコカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
ジャックスカード | 1.63% | 1.63% | 1.6% | – |
海外でクレジットカードを利用した際の換算レートは、
換算レート=「基準レート」+「海外事務手数料」
でしたね。
「基準レート」である「VISAインターナショナル決済センターで集中決済された時点の交換レート」が、「1ドル=100円」だと仮定すると、
換算レートは、1ドル=「100円×1.0163=101.63円」
となります。
楽天カード(Visa)で、100ドルの買物をした時の請求金額は、10,163円になります。
海外事務手数料の安いクレジットカードに変更すべきか?
もちろん、海外事務手数料の安いクレジットカードを使ったほうがいいのですが、海外事務手数料の差は0.5%程度しかありません。
海外で10万円ショッピングしたとしても、500円程度の差しか生じません。
ですので、あまり気にしなくてもいいかなぁ、というのが私の感想です。
外国に長く滞在する方であればその限りではありません。
マネパカードという選択肢も
なお、クレジットカードではありませんが、「マネパカード」というMastercardプリペイドカードがあります。
このマネパカードは、米ドル・英ポンド・ユーロ・豪ドル・香港ドルという5通貨に関しては、海外事務手数料が0.8%です。
もし、以上の5通貨が流通する国に長く滞在するのであれば、クレジットカードという選択肢以外に、マネパカードも加えてみるのもいいと思います。
以下の記事で、マネパカードの使い方を詳しく紹介していますので、ご覧ください。