JR東海道・山陽新幹線のネット予約システムの「エクスプレス予約」と「スマートEX」。
その違いがよく分からないという人が多いでしょう。
分かりやすく解説します。
年に一回でも新幹線に乗る人は「エクスプレス予約」を利用したほうがお得ですよ。
この記事の最後に、「エクスプレス予約」のおすすめの登録方法も紹介します。
目次
「エクスプレス予約」と「スマートEX」の比較表
まず、「エクスプレス予約」と「スマートEX」の比較表をざっとご覧ください。
エクスプレス予約 | スマートEX | |
利用できる人 | ■J-WESTカード「エクスプレス」会員 ■JR東海エクスプレス・カード会員 ■「ビュー・エクスプレス特約」会員 ■「プラスEX」会員 | 誰でも可 |
年会費 | 1,100円 | 0円 |
予約方法 | EXアプリ、スマートフォン、PC | |
予約変更 | EXアプリ、スマートフォン、PCから無料で変更可能 | |
価格例 | 東京⇔新大阪:13,620円 新大阪⇔博多:13,490円 | 東京⇔新大阪:14,520円 新大阪⇔博多:15,400円 |
乗車方法 | 専用ICカード ※ビュー・エクスプレス特約はモバイルSuica | お手持ちの交通系ICカード |
グリーンプログラム | 対象 | 対象外 |
「エクスプレス予約」と「スマートEX」の違い
(1)利用できる会員の違い
「エクスプレス予約」を利用できるのは、
- J-WESTカード「エクスプレス」会員
- JR東海エクスプレス・カード会員
- モバイルSuicaにビューカードを登録していて、「ビュー・エクスプレス特約」をしている人
- 対象のクレジットカードで「プラスEX」の登録をしている人
に限られます。
以下のカードがビューカードです。
私はビューゴールドプラスカードを使っています。年会費以上の価値がありますよ。
一方、「スマートEX」はクレジットカードをお持ちの方であればどなたでも利用できます。
(2)年会費の違い
(1)で「エクスプレス予約」できる人を紹介しました。
J-WESTカード「エクスプレス」の年会費は1,100円(税込)です。
JR東海エクスプレス・カードの年会費も1,100円(税込)です。
モバイルSuicaにビューカードを登録している人が、「ビュー・エクスプレス特約」申し込む時の年会費も1,100円(税込)です。
対象のクレジットカード会員が「プラスEX」を申し込む時の年会費は1,100円(税込)です。
利用方法を問わず、「エクスプレス予約」を利用しようとすると、年会費1,100円(税込)かかると考えてください。
一方、「スマートEX」の年会費は0円です。
年会費がかからないほうが嬉しいですよね。
しかし、後述しますが、年に1回でも東海道・山陽新幹線を利用するなら、「エクスプレス予約」の年会費は元が取れます。
(3)価格の違い
以下は東京発着の運賃例です。
エクスプレス予約 | スマートEX | |
東京⇔新横浜 | 2,270円 | 2,810円 |
東京⇔名古屋 | 10,310円 | 11,100円 |
東京⇔京都 | 13,070円 | 13,970円 |
東京⇔新大阪 | 13,620円 | 14,520円 |
東京-新大阪間でも片道900円も違います。往復なら1,800円。夫婦で乗ればその倍。
「エクスプレス予約」の年会費1,100円の負担はすぐに元が取れてしまうことが分かります。
以下は新大阪駅発着の運賃例です。
新大阪-博多間では片道だけで2,000円前後も違います。
エクスプレス予約 | スマートEX | |
新大阪⇔岡山 | 5,610円 | 6,150円 |
新大阪⇔広島 | 9,320円 | 10,430円 |
新大阪⇔博多 | 13,490円 | 15,400円 |
新大阪⇔博多 (往復割引) | 12,310円 | 14,420円 |
(4)乗車方法の違い
「エクスプレス予約」の場合、新幹線専用のICカード(EX-ICカード)を利用して乗車します。
新幹線専用のICカードは、J-WESTカード「エクスプレス」、JR東海エクスプレス・カード、「プラスEX」に入会後1週間程度で送られてきます。
新幹線専用のICカードが届く前も、券売機で紙のきっぷを発券して乗車できます。
「エクスプレス予約」のなかでも、「ビュー・エクスプレス特約」利用者だけは、例外的にモバイルSuicaを利用して乗車することも可能です。
「スマートEX」では、既にお持ちのSuicaやICOCA、SUGOCAなどの交通系ICカードを利用して乗車します。
(5)グリーンプログラムの対象になるかならないかの違い
「エクスプレス予約」で乗車すると、グリーンプログラムの対象になります。
エクスプレス予約で乗車すると、利用区間に応じて、登録不要で自動的にポイントが貯まります。
東京発着のポイント積算例です。
利用区間 | 蓄積ポイント |
---|---|
東京⇔新横浜 | 10ポイント |
東京⇔名古屋 | 50ポイント |
東京⇔京都 | 90ポイント |
東京⇔新大阪 | 90ポイント |
新大阪発着のポイント積算例です。
利用区間 | 蓄積ポイント |
---|---|
新大阪⇔岡山 | 20ポイント |
新大阪⇔広島 | 50ポイント |
新大阪⇔博多 | 110ポイント |
ポイントを一定数貯めると、普通車指定席の値段でグリーン車が利用できます。
必要なポイント数は、予約の区間に関わらず、以下のようになっています。
利用の列車 | のぞみ | ひかり | こだま |
必要ポイント数 | 1,000 | 800 | 600 |
東京-新大阪間を6往復すると、1回「のぞみ」のグリーン車に乗れる計算ですね。
「エクスプレス予約」で家族3人分の特急券を購入した場合は、予約した人に3人分のポイントが貯まります。
家族3人で東京-新大阪間を2往復すると、1回「のぞみ」のグリーン車に乗れる計算です。
「エクスプレス予約」を利用できる会員の中でも「プラスEX」会員と、「スマートEX」の会員は、グリーンプログラムの対象外です。
結論:「エクスプレス予約」の方が「スマートEX」より断然お得
「エクスプレス予約」の年会費1,100円は、東海道・山陽新幹線を利用するならすぐに元が取れるでしょう。
使えば使うほどお得です。
グリーンプログラムでグリーン車に乗れる特典も享受できます。
「スマートEX」で東海道・山陽新幹線を利用するのはもったいないですよ!
「エクスプレス予約」はどの方法で利用するのがおすすめ?
「エクスプレス予約」は、以下の会員が利用できます。
- J-WESTカード「エクスプレス」会員
- JR東海エクスプレス・カード会員
- モバイルSuicaにビューカードを登録していて、「ビュー・エクスプレス特約」をしている人
- 対象のクレジットカードで「プラスEX」の登録をしている人
どの方法で利用するのがおすすめでしょうか?
J-WESTカード「エクスプレス」のメリット・デメリット
西日本在住者におすすめなのが、J-WESTカード「エクスプレス」です。
JR西日本は「e5489」というネット予約サービスを運営しています。JR東日本の「えきねっと」に相当するものと理解してください。
J-WESTカード会員は、この「e5489」でJ-WESTカード会員限定のお得なきっぷを購入することができます。
特急はるか、特急サンダーバード、特急しらさぎ、快速マリンライナーなどを利用するときにとても得します。
■特急はるか(新大阪駅⇔関西空港駅)
■特急サンダーバード(大阪⇔金沢)
■特急しらさぎ(米原⇔福井)
■快速マリンライナー(岡山⇔高松)
また、JR東日本とJR西日本管轄に別れている北陸新幹線を利用する場合、JR東日本の「えきねっと」を使うよりJR西日本の「e5489」を使うほうがお得なケースがあります。
さらに、多頻度顧客向けの「J-WEST プレミア・プログラム」というサービスもあります。
「エクスプレス予約」で山陽新幹線(新大阪~博多)の一部を含む区間、ならびに、「e5489」で北陸新幹線(金沢~上越妙高)の一部を含む区間を利用すると、プレミア・スコアが貯まり、プレミア・スコアに応じて特典も受けられます。
「エクスプレス予約」を利用するのにどうせ1,100円かかるのなら、J-WESTカード「エクスプレス」を発行するのが最も有益なんじゃないかと思います。
旅好きにとっては、得する機会が大幅に増えますから。
J-WESTカードは「ご紹介プログラム」もしくは「ポイントサイト」を利用して申し込むと、少しお得です。
この他にもJ-WESTカードのメリットはあります。詳しく知りたい方は以下の記事もぜひ御覧ください。
デメリットは、J-WESTカード「エクスプレス」を使って貯まるJ-WESTポイントの還元率が0.5%と低いことです。
J-WESTカード「エクスプレス」は、「エクスプレス予約」が使えて、「e5489」のJ-WESTカード会員限定のお得なきっぷを購入できるカードと割り切るといいかな、と思います。
JR東海エクスプレス・カードのメリット・デメリット
JR東海には、JR西日本の「e5489」、JR東日本の「えきねっと」に相当するようなネット予約サービスがありません。
JR東海エクスプレス・カードは「エクスプレス予約」以外にメリットが見当たらないカードです。
私が知らないだけかもしれませんので、ご存知でしたら教えて下さい。
「ビュー・エクスプレス特約」のメリット・デメリット
「ビュー・エクスプレス特約」で「エクスプレス予約」を使うメリットは、モバイルSuicaで東海道・山陽新幹線に乗れることです。
例えば、私が、
- 小田急線(経堂駅⇒新宿駅)
- JR中央線(新宿駅⇒東京駅)
- 東海道新幹線(東京駅⇒掛川駅)
- 東海道線(掛川駅⇒磐田駅)
と移動する場合も、モバイルSuica一台で全ての改札を通過できます。
凄い便利です。
EX-ICカードを持ち歩かずに済みます。
普段からビューカードを使っている方にとっては、東海道・山陽新幹線に乗る場合もJRE POINT or JALマイルを貯めることができ、ポイントの分散を防ぐことができるという点もメリットですね。
■ビューカード一覧:
「ビュー・エクスプレス特約」で「エクスプレス予約」を利用する方法については、以下の記事を参考にしてください。
ただ、同じ1,100円の追加出費をするなら、J-WESTカード「エクスプレス」を発行したほうが、得する機会が大幅に増えるのでお得なんじゃないかとも思います。
西日本を旅行することが殆どない東日本在住者は、「ビュー・エクスプレス特約」の活用がおすすめです。
「プラスEX」のメリット・デメリット
グリーンプログラムの対象外になってしまいます。
「プラスEX」のメリットは、いつも使っているカードで東海道・山陽新幹線の特急券を決済できるので、クレジットカードのポイントが分散しないことです。
まとめ
年に1回でも東海道・山陽新幹線を利用するなら、「エクスプレス予約」を利用できたほうがお得。
同じ1,100円の追加出費をするなら、得する機会が増えるJ-WESTカード「エクスプレス」を発行するのがおすすめかなと思いますが、どうでしょうか?
ちなみに私は、「ビュー・エクスプレス特約」で「エクスプレス予約」をしながら、J-WESTカードも持っています。
「ビュー・エクスプレス特約」で東海道・山陽新幹線をモバイルSuicaでスイスイ乗れるメリットを享受しつつ、J-WESTカードのお得なきっぷのメリットも受けています。